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経理のAI化で何が減る?工数と費用を分けて試算する

経理のAI化で何が減る?工数と費用を分けて試算する

経理のAI化を検討するときは、削減できる時間と、実際に減る支出を分けて考える必要があります。入力が速くなっても、担当者の給与や外注契約がそのままなら、その金額が丸ごと浮くわけではありません。

この記事の時間・単価は、計算方法を説明するための仮定のモデル例です。実在企業の成果や、削減額の保証を示すものではありません。

入力・照合・集計の工数を数える

食品卸や製造業などで、次の業務に時間がかかっていると仮定します。受注や納品の処理と重なる作業は、二重に数えないようにします。

業務月間工数の仮定自動化を検討する内容
請求書・領収書の入力と照合30〜50時間帳票からの読み取り、金額・取引先の一致確認
仕訳処理と消込20〜40時間定型処理の候補作成、差異の抽出
月次集計と資料作成20〜30時間Excelの集約、報告資料の下書き
給与計算補助・書類整理10〜20時間入力補助、不足項目の確認
合計80〜140時間人による例外確認と承認を残す

ここでの80〜140時間は、対象業務にかかっている時間です。すべて削減できる時間ではありません。確認、差し戻し、再処理に必要な時間を導入後にも測ります。

人件費換算は月20〜49万円

時間単価を2,500〜3,500円と仮定すると、対象工数の換算額は次の通りです。

  • 下限:80時間 × 2,500円 = 月20万円、年240万円
  • 上限:140時間 × 3,500円 = 月49万円、年588万円

この前提から月50〜100万円、年600〜1,200万円という金額は導けません。外注費を加える場合も、人件費換算と同じ作業を二重計上せず、実際の契約額を確認します。

例えば月100時間の作業が月40時間になると仮定すれば、差は60時間です。時間単価3,000円なら月18万円分の余力になります。ただし、これは人件費換算であり、現金支出の削減額ではありません。

初期費用・運用費・確認の手間を差し引く

費用対効果を見るには、読み取りサービスや連携の費用、保守、担当者の確認工数を加えます。旧運用と並行して確認する期間は、両方の費用がかかる可能性があります。

年間の純効果の試算 = 年間の削減工数換算額 − 年間運用費 − 初期費用。この式も、支出削減と業務の余力を区別して使います。外注契約を減らせるか、残業代が減るか、余力を別の仕事に使えるかで意味が変わります。

導入前に確かめたい条件

まずは帳票の種類、月間件数、入力ミスや差し戻しの件数を記録します。紙やFAXが多い場合は、スキャン品質と受け取り方の整理も必要です。税額、支払先、例外の仕訳は誰が確認し、いつ承認するかを決めます。

小さな範囲で導入前後を比較し、入力時間だけでなく、確認と再処理を含めた時間を測りましょう。自社の帳票と作業時間をもとに試算することが、過大な削減見込みを避ける第一歩です。

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