Claude Projectsは、部門・業務ごとにカスタム指示・参照ドキュメント・会話履歴を分離して管理できる機能だ。これを活用することで、「営業部門専用の提案書作成アシスタント」「経理部門専用の仕訳確認アシスタント」「人事部門専用の規程参照アシスタント」を情シスが設計し、全社に展開できる。
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全社展開に2週間かかるのではなく、正しい設計があれば2週間で展開が完了する。 事前設計の質がスピードと定着率の両方を決定づける。
Step 1(Day 1〜3):部門別ユースケースの棚卸し
最初の3日間は、各部門の「AI活用ニーズ」を収集することに集中する。
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収集の方法は、各部門長への15〜20分のヒアリング(またはアンケート)だ。聞くべきことは、①現在最も工数がかかっている業務TOP3、②その業務でAIに何をしてほしいか(文章生成・検索・要約・チェック等)、③部門内で参照することが多い社内ドキュメントは何か、の3点だ。
従業員160名のコンサルティング会社A社では、6部門のヒアリングを2日で完了した。結果、ユースケースは「提案書作成補助(営業)」「議事録要約(全部門)」「規程参照・回答(人事)」「データ分析コメント生成(企画)」の4種類に収斂した。多くの事業会社では、ユースケースはこの程度の数に絞られる。
Step 2(Day 4〜6):Project設計とカスタム指示の作成
ユースケースが定まったら、各ユースケースのClaude Projectを設計する。
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Project設計で最重要なのは「カスタム指示(System Prompt)」の品質だ。カスタム指示とは、Projectを使う際にClaudeに事前に与える役割・ルール・制約の指示文だ。これが曖昧だと、Claudeの回答がブレ、使う人によって品質が変わる。
良いカスタム指示の構成要素は4つ。①役割定義(「あなたは○○部門の業務支援アシスタントです」)、②トーン・文体指定(「回答は箇条書きを優先し、100字以内で簡潔に」等)、③禁止事項(「顧客名・金額など機密情報は出力しないでください」等)、④参照優先度(「就業規則の内容を最優先で参照してください」等)。
A社の人事Projectのカスタム指示は「あなたは株式会社○○の人事規程に詳しいアシスタントです。就業規則・育休規程・福利厚生ガイドを参照し、社員からの質問に正確・簡潔に回答してください。規程に記載のない内容は「規程に記載がないため人事担当者に確認してください」と回答してください」という36字の指示文になった。
Step 3(Day 7〜9):参照ドキュメントの整備と登録
Claude Projectsに登録するドキュメントは、「最新・正式版・整形済み」の3条件を満たしていることが前提だ。
最新でないドキュメントを登録すると、古い情報でAIが回答し、業務上の混乱を引き起こす。正式版でないドラフトを参照ドキュメントにすることも避ける。また、スキャンPDFなど機械読み取りが難しい形式のドキュメントは、テキスト化してからProject に登録する。
A社では、登録ドキュメントの整備に1.5日を要した。就業規則(Word→PDF変換)、育休・産休規程(最新版の確認)、福利厚生ガイド(2年ぶりの更新が必要だったため更新作業が発生)。ドキュメント整備の発見的作業として、古いまま放置された規程の更新が促されるという副次効果もあった。
Step 4(Day 10〜12):パイロットテストと調整
設計が完了したら、各部門から2〜3名のパイロットユーザーを選んで3日間使ってもらう。
評価ポイントは、①回答の精度・品質(正確か、役に立つか)、②使いやすさ(プロンプトを入力しやすいか)、③カスタム指示・参照ドキュメントの不足や修正点だ。
A社のパイロットでは、人事Projectで「規程の改正日が記載されていないため最新版かどうか判断できない」というフィードバックがあり、参照ドキュメントに「最終改正日:○年○月」の記載を追加した。このような細かい改善を3日間で詰め切ることで、全社展開後の品質クレームを最小化できる。
Step 5(Day 13〜14):全社展開とオンボーディング
最終2日間で、全社員への展開とオンボーディングを実施する。
展開方法は、①Slackでの告知(Project一覧とアクセス方法)、②部門ごとの10〜15分ハンズオン(情シスが各部門に出向く、またはZoomで実施)、③使い方マニュアルのNotionまたは社内wiki掲載、の3本立てが標準的だ。
重要なのは、「まず1つだけ使ってみてください」という明確な最初のアクションを指定することだ。「AIを使ってください」という曖昧な指示より、「今週の議事録作成にProjectの『議事録要約』を使ってみてください」という具体的な指示の方が、初回利用率が2〜3倍高くなる。
A社では展開後2週間で全社利用率62%を達成した。その後、月1回の「活用事例共有Slackスレッド」を設けることで、6ヶ月後には利用率が81%まで向上した。
Claude Projectsの全社展開は、2週間でゼロから始められる。設計と研修をまとめて支援するコアネストのClaude研修サービスを活用することで、この2週間をさらに短縮することも可能だ。まずは診断から始めることを推奨する。
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